今さら聞けないMQL、SQLとは?リードの区分(SQL / SAL / MQL / MAL)とその考え方を解説します!

MQLSQL

弊社は主にBtoB領域におけるHubSpotを用いたマーケティング、セールスのお手伝いをさせていただくことが多いのですが、その際に出てくる話題としてリードの区分をどうすべきか、ということがあります。

特にBtoB領域においては、顧客の購買に至る期間までが長かったり、購買決定までのプロセスが複雑だったりするため、リードがどういった状態にあるのかを区分し、それぞれに対して適切な対応をすることが求められます。

今回は、そのようなリードをどういった形で分けていくべきか、マーケティングで一般的に使われる”MQL”や”SQL”といった言葉の意味とその役割について解説していきたいと思います。

 

BtoBマーケティング、BtoBセールス領域におけるプロセスの考え方

BtoBビジネス領域において、顧客はさまざまなタッチポイントで自社のサービスを知ることになります。

WEBサイトはもちろん、他のWEBサイトの広告や記事、SNS、展示会、TVCMや交通広告などがそれに当たります。こうしたさまざまなマーケティング活動を通じて、匿名の見込み客から名前やメールアドレスなどが特定された「特定のリード」となっていきます。

 

BtoBビジネスでは、顧客がサービスを知り、比較検討し、購買に至るまで、ある程度期間を要することも多く(特に購買の単価が高いとその傾向が強くなる)、「リードがどういった状態にあり、誰がどのように対応するのか」を区分することでより効果的にリードへのアプローチをすることができます。

リードから順に使われるリードの区分としては以下の「リード」「MAL」「MQL」「SAL」「SQL」の5つになります。

 

MQLSQL01

MQLSQL01

こうしたリード区分を取り扱う上で重要なことが2点あります。

1つ目は定義を明確にすることです。

一般的な定義については後述しますが、あくまで一般的な定義の話であって、各企業の状況によってその定義を細かく設定する必要があります。
例えばリードの全体数がどのくらいあるのか、そして新規に創出されるリードがどのくらいあるのかといったものです。また、そのリードに対応する人がどのくらいいるのか(マーケティング組織やセールス組織の人員)、どのくらいの受注が必要なのかによっても定義が異なってきます。

 

2つ目は、その定義に沿った各リードは誰が担当するのか、ということです。

せっかく定義が決まっていても、誰が担当するのかが明確になっていないと、結果的に誰も対応をしていない状態となり、そのリードが野放しになってしまいます。

これでは、顧客獲得は望めませんよね。

定義と各リードの担当者を明確にする、ということを忘れないようにしてください。

 

では、次に各リード区分の一般的な定義について見ていきましょう。

 

リードとは?

リードとは
日々のマーケティング活動・営業活動によって生み出された見込み客
のことを指します。

例えば名刺交換をした相手だったり、WEBサイトに訪問し資料をダウンロードした人がそれに該当します。

この時点では、そのリードがどういう人なのか、というところには言及しません。
したがって、さまざまな人が該当することになるかと思います。

 

 

MALとは?

MALとはMarketing Accepted Leadの略称です。直訳すると
マーケティングチームが受け入れたリード
ということになります。

すなわち「マーケティングチームとして、このリードは条件が揃えば、その先の営業チームに引き渡していきたいリード」ということになります。

先程のリードとの違いという面で言うと、例えば「リードして登録された学生」「競合他社「パートナー企業」「(法人ではなく)個人」といった、その他の条件が揃ったとしてもマーケティング・営業対象とはならないリードのことを指します。

どういったリードをMALにするかについては、各企業によって定義が必要です。

MALの定義を行うにあたって重要なポイントは

  • 自社の最終的な顧客となる可能性がありそうかどうか

という点です。

例えば、社内の規定で「HPがない企業とは取引できない」という規定があった場合、HPがない企業は(その時点では)取引ができないので、MALとはできないでしょう。
また、BtoBビジネスをしているので、フリーメールでの登録はMALとしない、というようなルールも設定できるかもしれません。

定義を広げれば、それだけMALの数は増えますが、結局そのMALが最終的に顧客になる可能性がないリードであれば意味がありません。
その点を踏まえた上でどういった定義にするか検討する必要があります。

 

 

MQLとは?

MQLとはMarketing Qualified Leadの略称で
マーケティング活動を通じて生み出された商談に達する確度の高い見込み客
です。

マーケティングチームが一般的に目標とする数値は、MQLになることがとても多いです。
マーケティング担当は、日々のマーケティング活動を通じてMQLを創出し、それをセールスチームに引き渡します。

マーケティングチームとしては「今月◯◯件のMQLを創出します」といったことを目標に日々の活動を行っていきますが、このMQLをセールスチームに渡し、セールスチームがそのMQLを受注に結びつけていくのです。

ここでも、何をもってMQLとするのかという定義の課題が出てきます。
これも個々の企業によってその定義は異なりますし、明確にする必要がありますが、例えば

  • スコアが◯点以上の見込み客
  • ◯◯ページを見た顧客
  • ◯◯というウェビナーに参加した顧客

など、明確に定義付けを行い、それをもってセールスチームと連携する必要があります。

 

SALとは?

SALとはSales Accepted Leadの略称です。

これは
セールスチームが営業対象とする見込み客
を表します。

SALとMQLの違いが不明確になることがありますが、SALの判断基準はあくまでセールスチームとなりますので、そこがMQLとの大きな違いです。

マーケティングチームから確度が高いと言われてMQLを渡されたとしても、それがセールスチームの判断基準に沿っていなければSALとはなりません。

もちろん、理想はMQL=SALとなることです。逆にここの掛け率が低ければ低いほど、マーケティングチームとセールスチームの目指すべき姿に乖離があるとも言えます。

その点については、定期的にマーケティングチームとセールスチームで目線のすり合わせを行い、MQL=SALにできるだけ近づけることが求められます。

 

 

SQLとは?

SQLとはSales Qualified Leadの略称で
受注確度の高い見込み客
を表します。

あくまで受注確度が高い、という状態を表しますので、商談の前の状態でも商談化後の状態でも、その点は各企業の状況に従って定義づけて良いと考えられます。

また企業によっては、受注確度が高い=見積もりを提出した、という状態と定義することもあるようです。

扱っている商材・サービスが見積もりを出しやすいものなのか見積もりを出しにくいものなのかによってもSQLの定義をどうするか、というのが変わってくるでしょう。

 

 

(例)HubSpotにおけるリードのライフサイクルステージ

こういったリードの管理は、主にITツールであるCRMで行われることが一般的です。

たとえばHubSpotには、初期設定でリードのライフサイクルステージが設定されています。

ライフサイクルステージとはリードががマーケティング活動・営業活動のどの段階にいるかを示すものです。HubSpotにおけるリードの区分けは以下のようになっています。

MQLSQL02

MQLSQL02

 

HubSpotにおけるライフサイクルステージ

  • 購読者(Subscriber):ブログやニュースレターに登録することで、貴社からの情報を受け取ることを選択したコンタクト
  • Lead(リード):貴社のウェブサイト、または購読申し込み以外の貴社との何らかのやり取りによってコンバージョンしたコンタクトまたは企業
  • MQL(Marketing Qualified Lead):マーケティングチームによりセールスチームへの引き渡しが可能と判断されたコンタクトまたは会社
  • SQL(Sales Qualified Lead):セールスチームにより確度の高い見込み客と判断されたコンタクトまたは会社。
  • 取引(Opportunity):取引に関連するコンタクトまたは会社。
  • 顧客(Customer):少なくとも1件の成約があるコンタクトまたは会社。
  • エバンジェリスト(Evangelist):自社の支持者となった顧客。

 

CRMを活用すれば、どのリードがどのステージにあるのかが明確になりますし、担当者も指定することができます。

営業活動のヌケモレもチェックすることができますので、リードの管理を行う上ではCRMの活用は必須と言ってもいいでしょう。

 

 

 

まとめとおすすめ記事

いかがでしたでしょうか。

MQL、SQLという定義は聞いたことがあるが、運用となるとうまくいかない・・・といった悩みをお持ちの方も多いかと思います。

今回は様々な定義を解説しましたが、これらの定義を全て使いこなす必要はありません。自社の営業活動の状況に応じて一部の区分だけ定義して運用する、といったような形でも初期では十分です。

いきなり定義を難しくすることなく、まずはシンプルに始めてみるのがよいでしょう。

 

 

ちなみに、今回のコラムに関連する記事をご紹介します。

→CRMって何?という方はこちらの記事。CRMの基本機能が乗っています。CRM自体がよくわからない・・・!という方はおすすめです!

CRMとは?顧客管理で活用したいCRMの基本機能を徹底解説

 

→MQLなどの定義やCRMの活用事例知りたい!という方はこちら。実際にMQLなどをどう運用しているかといったマーケティング現場を赤裸々に解説してくれています。

実践から学ぶ!HubSpot導入企業が語るBtoBでのMAの活用法とは?|HubSpot勉強会セミナーレポート

 

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