CRMの導入はシンプルにすべき3つの理由

弊社トライエッジでは、CRMの設計・導入を行う際に「3つのS」を大切にしています。そのうちの一つが、Simple(シンプル)。CRMの設計や導入を行うには、なぜシンプルにしなければいけないのでしょうか。この記事では3つの理由を用いて詳しく説明します。

 

複雑だと使いにくい

これまでエクセルなどで“ややアナログな作業”をしていた会社が、いきなり“CRMを入れて業務改革”をしようとすると、「これまでやりたかったこと」がすべて実現できるかのような錯覚に陥ってしまうことがあります。

その結果、必要以上に複雑怪奇な設計になったり項目数が増えたりしてしまいがち。その状態で実際に運用を始めると、入力が手間で現場の運用がなかなか進まない、などのケースが往々にして見られます。

「シンプルであること」は、すなわち「使いやすいこと」。

入れるべき項目・報告すべき項目は、本当にこれだけ必要なのか。

「絶対に必要なもの」「あれば良いもの」「なくても良いもの」といった形でしっかり区分けをして、複雑さを取り除いた構成にすることをおすすめします。

弊社がCRMの設計をする際には、メイン業務で使う項目以外はメニューからも消してしまいます。使わないメニューがシステム上に存在するだけで、ユーザーに複雑な印象を与えてしまうからです。

 

準備に時間がかかる

「CRMでできること」は意外と幅広いため、やりたいことすべてを実現しようとしても技術的には可能なケースが多いです。

「顧客の細かな情報を広く収集し、属性ごとにきめ細やかな営業を行えたら生産性が上がる」と妄想する方もいるかもしれません。

しかし、やりたいことを一気にCRMで実現しようとすると、どうしても時間がかかります。大掛かりにしてしまったがために、基本設計を構築するだけで数ヶ月を要した、なんて話もよく耳にします。

CRMの導入は、ビジネス上のタイミングも重要です。

マーケティング担当者がいち早くCRMの重要性に気付いていても、その後経営陣を説得し、稟議が通り、1年後に導入が決まる、みたいなケースもよくある話です。

「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、CRMを活用する機運が高まったら、時間をかけずに導入することが非常に重要です。導入までもたもたしていると、「別に今やらなくてもいいのではないか」「今のやり方で業務は回っているし、変える必要はないのではないか」といった意見が出てきて、最悪の場合CRMの導入自体が白紙になるケースすらあります。

たとえば営業チーム5人以下の小規模のチームであれば、1ヶ月以内で導入することを念頭に準備をするべきです。そのためには、できるだけ基本設計はシンプルにしておき、時間をかけずに一気に導入まで持っていく必要があるのです。

 

お金がかかる

CRMを導入する際には、アカウントを複数購入し初期設計を行っていくケースが一般的かと思います。CRMのアカウント費用は月額・年額など、いろいろありますが、通常は1ヶ月程度無料で使うことができます。(弊社が扱っているZoho CRMの場合、試用期間は15日間です)

これは裏を返すと、2ヶ月目からはお金がかかるということです。

なるべく早く導入を行うべき、と前章でお伝えしたのは、これも理由の一つです。

よく「CRMを入れたが、準備手間がかかり半年経っても運用に乗っていない」という話を聞きますが、これはその間アカウント費用を無駄にしてしまっていることに他なりません。

CRMは情報が蓄積され、それらの情報が営業・マーケティング部門に整理・共有され、次の施策に活かされてこそ意味があるものです。

お金をかけて新しいシステムを導入するなら、意味のあるものにしたいですよね。この無料で試せる期間に、基本設計・テスト運用まで行うことが、ある意味理想といえます。

そうなると、そもそも複雑な設計になどできないわけで、「シンプルな設計にして、すぐにテスト運用」に持ち込むことが重要です。

 

CRMの導入は「シンプル」がキモ!

シンプルな構造でまずは導入を行い、営業部門・マーケティング部門双方が慣れてきたら、徐々に入力できる項目などを増やして、顧客の情報を増やしていく、というのが一番スムーズに運用をスタートするコツだと言えます。

運用をスタートした後に、シンプルな項目にしたのに入力がされない場合は、まずその問題を徹底的に洗い出し、解決してから情報量を増やしていきましょう。

あくまで目安ですが、3ヶ月程度運用を行い入力すべき項目が95%以上入力されるようになってから項目を増やしていく、というようなステップがおすすめです。

CRMの導入は、とにかくシンプルに。迷ったらこの基本に立ち戻るようにしましょう。