商談化のカギは顧客データの管理!展示会に出るならやるべき3つのこと

展示会の参加者で圧倒的に割合が多いのは「中長期フォロー」が必要な顧客です。すぐに商談化できる場合とは異なり「中長期フォロー」には手間がかかりますが、フォローを継続することで大きな成果につながります。
本記事では、「中長期フォロー」を含めて展示会から商談化するために欠かせない”顧客データの管理”について解説します。

展示会から商談を生むカギは顧客データ管理

展示会で獲得した見込み客と商談に至るまでの過程は主に2つあります。

1.展示会直後、すぐにフォローを行い商談につなげる
2.中長期的にフォローを継続した結果、商談につながる

しかし、展示会で獲得した顧客データの仕分け・管理ができていなければ、そもそも「即時フォロー」によって商談につながる見込みの高い顧客か、商談化までに「中長期フォロー」が必要な顧客かも判断できません。
また「中長期フォロー」が必要な顧客の場合、長期的に顧客データを保存する必要があるので、後からどんなリードか分からないということが起こらないようにする必要があります。

顧客データを分析することで顧客のニーズや関心があることを適切に把握し、それぞれに合わせた提案やアプローチを効率良く行うことが可能になります。つまり、顧客データを管理するということは、​​展示会後のフォローを実施するうえで、後の受注成果を向上させるために重要な施策になります。

ただし、そもそも管理するデータを正しく取得できていなくては成り立ちません。
次項では正しい顧客データの管理をし、商談につなげるためにするべき3つのことをご紹介します。

商談化のためにやるべき3つのこと

1.【展示会前】獲得すべきリードの属性と獲得後の対応を決めておく

展示会出展の最終目標は、多くの場合受注の獲得にあると思います。
しかし、来場者の多くは情報収集を目的としており、獲得したリード(見込み客)の多くは中長期のきめ細やかなフォローによって始めて、商談化・成約に至るというケースがほとんどです。
このことを踏まえ、展示会では将来的に受注につながる可能性があるリードを少しでも多く獲得し、効果的なフォローアップを行うための事前準備が重要となります。

獲得すべきリードの属性を定義する

展示会で獲得できるリードには、さまざまな業種・職種・役職といった異なる属性のリードが含まれています。そのため自社の商品やサービスを購入してくれる見込みがあるのはどのような属性のリードなのか、その定義を事前に明確にし、展示会に参加するメンバー全員と必ず共有しておきましょう。

獲得したいリードの定義が決まったら、1日あたりの名刺獲得数の目標や、ブースでの会話におけるヒアリング事項・会話のゴール地点を設定しましょう。
特に、ブースに訪れてくれた人が商談につながりそうな属性の人なのかを判別するためにどのような質問をすればよいのか、またターゲットとなるリードと判明した場合どのような対応を行うのかは、人によって行動や判断軸にブレが出ないよう、明確にしておきましょう

リードの区分や、リード獲得の目標設定の具体的な手法についてはこちらの記事でご紹介しています。

【事例付き】展示会で獲得したリードの管理方法2023-03-28

リード獲得後の対応について

展示会で獲得したリードへのフォローアップの内容を事前に検討しておかないと、

  • 獲得したリード(名刺など)を放置される
  • リードをフォローする優先順位がわからない

といった自体に陥りかねず、ビジネスチャンスを失うリスクが生じます。
そのため、事前に定義したリードの区分に応じたフォローアップの内容を検討しましょう。
例えば、同じ会社の事業開発部に属する2つのリードに対してメールを配信する場合でも、役職が「責任者」と「一般社員」であれば、それぞれの属性に響く内容は変わってきます。

また、中長期でフォローするリードに対しては、事前にホットリードを判別できるような仕組みも用意しておきましょう。
メール配信を例に挙げると

  • 「メール開封(5点)」「リンククリック(10点)」「資料ダウンロード(20点)」など、それぞれの行動に対して点数を設定する
  • 点数が一定値を超えると、営業担当者に自動で通知する

などを準備しておくと、ホットリードの判別が明確になるかつ、大量のリードの中から温度感の高いリードへのフォローアップをより効率化することができます。
商談化率をアップさせるためのアフターフォローについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

展示会のアフターフォローで商談化率をアップさせる方法2023-03-31

2.【展示会中】ヒアリングやアンケートでリードの情報を獲得する

リードに関する情報が獲得した名刺のみでは、その後のフォロー施策を充実させるために十分な情報量とは言えません。そのため、ヒアリングやアンケートを実施して、ブースに訪れてくれた見込み客のニーズの深掘りを行います。
ヒアリングやアンケートでは、「来場の目的」・「現状の課題を認識しているか?(ニーズが明確か?)」などの基本項目に加え、ニーズがあると判断した場合は、BANT条件についてもヒアリングします。

BANT条件とは、Budget(予算)・Authority(決定権)・Needs(必要性)・Timeframe(導入時期)の4つの頭文字を取ったもので、それらの情報を取得することで商談の成立度合いを把握しやすくなります。

【Budget(予算)】   製品等の導入にあたり予算確保の可能があるか
【Authority(決裁権)】 決定権者であるか。または決裁権者に提案可能か
【Needs(必要性)】  来場者の個人的な興味ではなく、企業としてニーズがあるか
【Timeframe(導入時期)】 導入時期は決まっているか

BANT条件がすべて満たされている場合は、商談化や受注の角度が高いと判断できるので、早期に商談の機会を設けられるような対応を意識しましょう。

一方、展示会参加時にはBANT条件がそろっていない場合でも、社内状況の変化によって将来的にニーズが発生するケースは十分に起こりえます。そのタイミングを逃さないよう、獲得したリードは放置することなく中長期的なフォローを継続して関係性を築き、BANT条件の変化を見逃さないための仕組みやフォローアップ体制を整えておきましょう。

3.【展示会後】リードの情報をデータ化する

展示会で獲得した名刺やヒアリング・アンケートで収集した顧客のニーズ、BANT条件などの情報を、中長期的なフォローアップに活用できるようにデータ化しておきましょう。データ化を手作業で行うのは時間と手間がかかり、展示会後のフォローアップにおいて競合企業に遅れを取ってしまいます。そのため名刺のデータ化は名刺管理ツールを活用するのがおすすめです。

顧客情報をデータ化した後の管理は、通常業務で使い慣れているExcelを用いる企業も多いですが、

  • 複数人での同時編集ができない
  • 簡単に上書きや削除ができてしまう
  • 編集&保存のたびに新しいバージョンのファイルが作成され、データの管理が煩雑になる

といった問題があります。顧客に関するさまざまな情報を複数のファイルで管理すると、分析が難しかったり同じリードに何人も連絡してしまうといったことも起こりかねません。

そこで、顧客データ管理に特化したCRMツールの活用が役立ちます。
CRMツールは、顧客の基本的な情報はもちろん、BANT情報、接触履歴やニーズ、購買履歴や売上金額など、詳細な情報を一元管理することが可能となります。
名刺管理ツールと連携させることができるCRMツールも多く、データの取り込み作業を効率化することも可能になります。

獲得したリードの情報をCRMに登録した後は、商談化の見込みが高く即時フォローが必要なリードか、中長期のフォローが必要なリードかを確認し、すぐに営業アプローチを開始しましょう。
リードの関心が高いうちに、そして競合企業に遅れを取らないためにも、展示会の翌日にはお礼メールを送付できることが望ましいです。
CRMツールと連携するMAツールを使うことで、お礼メールを一括で送る・中長期的なフォローアップ用に、リードの属性に応じたメールを複数回送る、といった一連の対応を自動化・効率化することができます。

ツールを使って効率的に顧客データ管理を実現

顧客情報は展示会で獲得できる一番の資産ですが、たとえ大量の名刺を獲得できたとしても、その後の管理を効果的に行えなければ、展示会経由での商談創出において大きな損失となってしまいます。
特に「営業担当者が手元に名刺を所持しているため、一覧化されていない」「展示会後のフォローアップ状況が担当者によって異なる」「中長期的なフォローが必要なリードが放置されてしまう」というケースは非常によく見受けられます。
せっかくコストをかけて出展し獲得したリードとの商談機会の損失を防ぐためにも、顧客情報はデータ化し、CRMなどのツールを用いて一元管理することで、効果的なフォローアップが行える環境を整えましょう。

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