SFA / CRM基礎講座③:シェアオブウォレットの概念とマーケティング施策

SFA / CRMの基礎。今回は第三回目です。

前回の第二回では、「顧客のポテンシャルの考え方と収集方法」を解説いたしました。

SFA / CRM基礎講座②:顧客のポテンシャルの考え方と収集方法

2020.05.09

その中で、SFA / CRM導入の目的は「優良顧客を定義するためにはポテンシャルを測る」ことが重要だとしましたが、優良顧客を育成するために把握すべきもう一つの指標が「シェアオブウォレット」という考え方です。

今回はSFA / CRMを有効に活用する上で重要な指数「シェアオブウォレット」について説明いたします。

 

顧客が持つ予算の占有率:シェアオブウォレットの考え方

企業にとっての優良顧客は「定期的に多くの金額を支払ってくれる顧客」であることは、前回説明をいたしました。同じ顧客でも、予算を10万円持っている人と、1万円しか持っていない人では、その重要度が異なるという考え方です。この予算の大きさをポテンシャルと呼びました。

一方で、もう一つ考えなければいけないのは、自社の商品・サービスをどのくらい顧客が購入をしてくれているか、という考え方です。

ここで出てくるのがシェアオブウォレットです。直訳すると「財布(Wallet:ウォレット)の占有率(Share:シェア)」となるわけですが、顧客が持っている予算のうち自社の製品・サービスをどのくらい費やしてくれているかという考え方と理解してください。

 

前回に引き続き、AさんとBさんという2人のサラリーマンの例で考えてみましょう。

このAさんとBさんは、それぞれ同じ飲食店に継続的に来店しているとします。
AさんとBさんが1ヶ月で外食に使える予算が同じく5万円だとしたら、ポテンシャルだけで考えた場合AさんとBさんは同じ重要度の顧客ということなります。

 

しかし、下記のような場合はどうでしょうか。

Aさん→月に8回来店
Bさん→月に2回来店

1回に使うお金は5,000円だとしましょう。この場合Aさんは8回来店しているので月間で40,000円をお店に払っています。一方Bさんは月に2回ですから10,000円しか使っていません。

それぞれのシェアオブウォレットで考えた場合は、下記のようになります。

Aさん→予算50,000円のうちの40,000円→80%のシェア
Bさん→予算50,000円のうちの10,000円→20%のシェア

Aさんは持っている予算のうち、その大半の80%をこの飲食店に使っています。Aさんは常連客と言ってもいいかもしれませんが、残る予算が10,000円しかないため、これ以上どれだけアプローチをしても追加で2回しかこの店には行けません。

一方でBさんは、財布の20%しかこのお店には使っていないため、残る80%は攻略の余地があります。

 

このように、顧客のシェアオブウォレット(財布の占有率)の情報を把握できれば、営業・販売活動に大いに活用することが可能です。

 

ポテンシャルとシェアオブウォレットの関係性

シェアオブウォレットは、顧客の予算と顧客の利用実績から計算します。

シェアオブウォレット(%) = 顧客の利用実績 ÷ 顧客の予算(=ポテンシャル)

また、ポテンシャルの高さとシェアオブウォレットの高さの2つの軸で考えたとき、顧客は4つのカテゴリーに分かれることになります。

それぞれの軸をどのように切り分けるかは自社の営業リソースの状況や業種、商品内容によっても異なりますが、まず最初は①〜④まで均等に25%ずつ割り振ってみると良いでしょう。

 

 

マーケティング施策は、それぞれのカテゴリにおいて手法を変えていく必要があります。

個別に見ていきましょう。

 

 

各カテゴリーの特長とマーケティング施策

①優良顧客

多くの予算を持ち、さらにその多くを自社のサービスに費やしてくれている、重要な顧客です。こういった顧客群に対しては、他のブランドに行かないようにしっかりと関係性を維持する観点でマーケティングを行う必要があります。

こういった顧客に対しては、拡大余地はもうあまりないため「追加でサービスを購入してもらう」というよりお友達紹介キャンペーンなどに代表される「顧客の周囲に自社の商品・サービスを宣伝してもらうような、「リファラル(顧客紹介)施策」を行ったり、「新商品の先行案内」など、自分がブランドから特別扱いされていると認識できるような施策が有効です。

また、離反された場合の影響が大きいのがこの顧客群です。人的リソースをかけることを惜しまず、こまめに個別フォローを行い、自社サービスから離れていかないように細かくサポートしていく必要があります。

 

②ファン

この顧客群は、予算は大きくないものの、その予算をのうち多くを自社に使ってくれている人たちです。①と同様に更に自社サービスを購入してもらうのは難しいですから、無理に営業活動をかけることはやめたほうがいいでしょう。

また、①の顧客群ほど予算をもっているわけではないので、離反されないように気をつけつつも、過剰なコストをかけて顧客サポートなどを行わないよう注意する必要があります。

このカテゴリーの顧客には、「商品の特別価格」での提供や「特別なイベントへの招待」などの施策が有効です。

 

③準優良顧客

持っている予算は大きいが、自社サービスに余りお金を使っていないのが、この顧客群です。マーケティング活動次第では①の優良顧客になる可能性を秘めており、もっとも営業活動を行うべき対象だと言えます。

このカテゴリーにできるだけ営業リソースを集中的に投入し、少しでも多くの顧客を優良顧客化させることが、重要となります。様々なキャンペーンや販促活動は、できるだけこの顧客群を対象としたものにするとよいでしょう。

追加購入してくれた場合に料金が割安になるような「インセンティブ施策」も、この顧客群に行うことが最も効果的です。

 

④一般顧客

①〜③に属さない、その他の顧客です。残念ながら優先度としては最も低くなります。①〜③の営業活動を行ってなおかつ予算が余っている場合に、なんらかの営業活動を行う対象となります。

一般的には最小限のコストでコミュニケーションを取ることが求められますので、メールマガジンなどを配信するなどのできるだけコストのかからない方法を取ることが良いでしょう。また、値引きなどのキャンペーンは、この顧客群に過度に行うことはできるだけ避けたほうが望ましいと言えます。

 

 

 

シェアオブウォレット情報をSFA / CRMにしっかり蓄積させましょう

このように「シェアオブウォレットの情報をマーケティングに活用すること」は、効率的にマーケティング施策を実行に移す場合には非常に重要となりますが、そこでしっかりと活用すべきなのはSFA / CRMとなります。

ポテンシャル情報やシェアオブウォレット情報をしっかりとSFA / CRMに蓄積し、顧客を明確に分類することで、営業・販売活動に活かしていきましょう。

 

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